2009年3月26日木曜日

壮年期





ー始めての海外旅行ー


 パパさんは出張も含めて何度か外国を旅行しているが、ママさんは一度も行ったことがない。ママさんは海外より日本の温泉が良いなのタイプで、外国には行きたいと思っていない。国内派だ。




 国内は結構旅行している。九州、北海道、北陸等、京都は三回ぐらい行っている。




 「京都は何度行ってもいいわ」と国内派を自認している。




 JRが夏休みをかけてJALのジャンボをチャーターして、カナダツアーを企画した。パパさんの出向している会社もグループ企業として参加することになった。




 ママさんも一緒に行くという。ママさんは始めての海外旅行で何となく不安である。盛岡のお祖父ちゃんお祖母ちゃんに報告する。




 フライトは仙台空港からなので、こちらは気軽にいける。




 娘と次男に空港まで見送られてカナダはバンクーバーに向かった。




 空港に着いて、ママさんの第一声。




 「外人が多いわね」




 初日は夜のトロント空港に向かうまでの時間、市内観光になった。出発の前に添乗員が「カバンはあそこのコンベアーに乗せて下さい」と言ったので、パパさんはスーツケースとママさんの手回り鞄を乗せた。やたらと身軽な感じになった。




 市場を見たりしてママさんには結構楽しいコースだった。空港に戻ってトロントにフライトした。トロント空港で各人のカバンを取ったが、ママさんの手回り鞄がない。チケットが付いていなかったためバンクーバー空港で積み込まなかったらしい。




 添乗員が空港の係に照会しても出てこなかった。帰りもバンクーバーになるため空港に捜索をお願いして、次なる訪問地、ナイヤガラの滝に向かった。




                   
 ママさんは初日からパニックである。外国で身の回りの品物が無くなって心細かった。


 翌日、滝見物もそこそこに、ナイヤガラフォールズの街外れのスーパーまでショッピングに行った。歯ブラシ、櫛、化粧品などの日用品の効能をパパさんに翻訳させながらの買い物である。



 帰りのバンクーバー空港で奇跡的に携帯鞄が見つかった。



 日本からカナダへ飛んだだけの鞄だ。



 それでもママさんは「良くあったわねー」と感激していた。



 ママさんの海外旅行はトラブル続きである。



 パパさんの退職記念に家族でヨーロッパ旅行した時は、ユーロトンネルが火災事故で不通になり、急遽フランスのカレー海岸からドーバー海峡を巨大なホバークラフトに乗り、イギリスまで横断したらしい。



 その後ギリシァに行った時はエールフランスのストライキに遭って、急遽ロンドン経由の英国航空で帰国した。


                 エーゲ海の猫


 ママさんは「海外旅行はもういいわ」と言っているが、マリオは信じていない。









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