2009年2月11日水曜日

壮年期

ー結婚ー

 日曜日、札幌で働いている長男が女性を連れてくるという。

 パパさんは朝からそわそわしている。ママさんは落ち着いたものである。

 「マリちゃんはここに居てね」と次男の部屋に閉じ込められる。

 正午前にやって来た。ママさんが玄関に出て「どうぞ、どうぞ」と言っている。

 女性は長男の後から「お邪魔します」と言って居間に入ってきた。長男も緊張気味である。

 パパさんは女性の両親のことや、兄弟のことを聞いた。

 女性は「一人っ子です」と答えた。
 パパさんは「そりゃ、大変だ」と言った。

 何が大変か良く判らないが、色々話をして女性は帰っていった。

 パパさんが後で長男に聞いた。
 「どこで結婚式をするんだ」

 長男は「うーん」とうなって答えない。パパさんは長男の働いている札幌だと大変だと考えていた。相手の女性は東京だと言う。

 状況を分析すると南は名古屋から、北は札幌の範囲が出席者の分布になる。新潟、岩手もある。

 パパさんが気にしているのは岩手にいるお祖父ちゃん、お祖母ちゃんだ。特にパパさんのお祖母ちゃんは病気勝ちなので、遠出は無理だと思っていた。初孫の結婚である。全員に出席して欲しい。

 パパさんの決断。「よし、(結婚式は)仙台でやれ」

 長男は納得して札幌に帰っていった。

 式場はパパさんがJRになって最初に手掛けた、仙台駅前のJR系列のホテルに決めた。

 結婚式前日、家はパパさん一族、ママさん一族でいっぱいになった。

 当日も朝からてんやわんやだ。マリオは何が何だか判らない。家の中をうろうろしていた。

 結婚式は大盛会で、パパさんもママさんもご機嫌で帰ってきた。

 娘が「お兄ちゃんのために」と演奏したお琴がご招待したお客様に大評判だったらしい。

 マリオも娘を見直していた。
                お兄ちゃん、おめでとう!