2008年11月8日土曜日

青年時代

―外出のマナー―

 週に一回はママさんにブラッシングして貰うが、長毛種のため毎日少しずつだが脱毛する。その毛は空中に浮遊したり、布類に付着する。毎朝掃除機でお掃除をするが、マリオの毛を一掃できるわけではない。

 家族も慣れたもので、家にいる時は全然気にしていない。

 特にママさんの方針で家にいる時、家族全員黒っぽい衣類は厳禁である。

 被害者はパパさんで、ダーク調のポロシャツを好むがマリオの抜け毛対策のため箪笥に入ったきりである。

 お客さんが来た時、ママさんの気の使いようは大変だ。来客が脱いだコート類は決して床に置かない。座布団もテラスで丁寧に叩いてから出す。お帰りの時はガムテープで腰の辺りの毛をとって差し上げるなど至れり尽くせりである。お客さんは恐縮しているが、ママさんは一所懸命だ。

 パパさんは意外と無頓着だが、出勤の時は気を使う。ママさんがガムテープでスーツの前から後ろ、さらにはズボンから毛をとる。朝の時間がない時は手早くしなければならない。長男や次男は全然気にしない。ガムテーピング(家族用語、ガムテープで毛を取る行為)する時間もないから毛がついたままで外出している。

 娘は女の子のせいもあって、着用する前に洋服を徹底的にガムテーピングする。

 お葬式とか結婚式に出かける時は、黒い服なので、家族全員が丁寧にとっている。

 さらにママさんはハンドバッグに小さく切ったガムテープを持って行く。式場に行ってから、万一マリオの毛の取り残しがある家族のための対策に必要なのである。

 とにかく、我が家ではガムテープは必需品になっている。 外出の身だしなみは、ガムテーピングが最低のマナーなのだ。

                     黒いシャツが白くなるぞ