2008年12月21日日曜日

青年時代

ー医者嫌いー

 色々嫌いなものがあるが、獣医も嫌いである。獣医が嫌いというより、獣医院の雰囲気が馴染めない。注射もそれ程痛いと思わないし、獣医も大体優しい人が多いから治療そのものは気にならない。

 体調が悪かったり予防接種などで車に乗って獣医院に行くと、いろんな仲間のペットが待合室にいる。診察の時間までここで待たなければならないが、マリオはこの待ち時間が嫌いだ。犬は勿論、同族の猫もいる。人間のように大きい犬もいれば、マリオより小さな犬もいて賑やかだ。

 同族はおとなしく待っているが、犬族は落ち着きがなくかしましい。キャンキャン、ワンワンとうるさくてマリオは身が縮まる思いがする。

 大体、猫族と犬族はあまり仲が良くないのが相場になっている。マリオも家出をした時、一度犬に追いかけられて怖い思いをしたことがあるだけに、6帖くらいの待合室に犬と同席する獣医院が大嫌いなのだ。

 娘は小さな声で「マリちゃんはお利口さんだね」とささやくが、なんのことはない犬族にマークされないようにおとなしくしているだけだ。

 同族にもたまにいるが、往々に犬族は行儀が悪い。大型犬はデンと座って辺りを見回しているが、特に室内タイプの小型犬は行儀が悪い。マリオはしつけができていないペットは飼い主に責任があると思う。甘やかして育てたために、大きくなってから苦労している。

 人間の子育てトラブルと同じようだ。

 診察室に入るとホッとする。獣医の「どうしました」の一言で安心する。人間の医者嫌いの原因である注射とか薬臭いことは気にならない。

 治療を終えて獣医院から出て車に乗ると益々ホッとする。

 車の中ではバスケットから出して貰えるので、窓のそばに行って外の風景を見ながら帰宅することが楽しみなのだ。