2008年10月19日日曜日


ーモンローウォークー

 猫語の代表的なものは「ニャーオ」である。語調によっていろいろな意味がある。「ゴロゴロ」と喉を鳴らすのは、気嫌のよい時か気持ちの良い時だ。

 警戒する時や気分を害した時は「フーッ」と喉から声を出す。

 闘争する時の「シャーッ」は、相手を威嚇するために使う。体を蛇のように丸めた体形でするので、猫は蛇の親戚のように言う学者がいるが、定かではない。

 常に声を出して訴えれば、一緒に住んでいる人間ならば大体の意思は通じるが、マリオに限らず犬に比べて猫類は無口だ。そのために結構態度で示す場合が多い。

 こちらが必要な時は鳴いて訴えるが、いちいちニャーニャー鳴いていられない。

 猫のボディランゲージは犬のように派手さがないために、その意思を汲むためには注意を要する。マリオのボディランゲージの手段としては、長く太い尻尾を有効に使う。

 幼い頃からティールコミュニケーションが得意だったが、家出した時尻尾に負った傷がしばらく完治しないため苦労した。

 仙台に引っ越してから、娘が大学の友達から評判のよい獣医院を聞いてきて2回の通院で治ってしまった。

 尻尾のかたちで気持ちを伝える。伝える必要がなくても自然とかたちになる場合もある。気分の良い時は直径5センチぐらいに尻尾が膨らんで、歩くときは垂直になる。大名行列の先頭を行くぼんぼりみたいなかたちだ。

 普段は床を擦らない程度に尻尾を下げて歩く。これがマリオにとっては一番楽な歩行姿勢なのだ。

 垂直の時は相当尻尾に力を入れないといけない。それでも嬉しさを示すために太く真っ直ぐにして歩く。

 後ろから見ると、モンローウオークのように尻を左右に振りながら歩くらしい。娘はケラケラ笑うが、気にはしない。

 名前を呼ばれた時は尻尾の先を振る。起きていても、うとうと寝ている時も同じ動作をする。うたた寝をしていると、娘は退屈しのぎに名前を呼ぶ。その度に尻尾の先を最小限に振って、聞こえていることを伝えるのだが娘はしつこく呼ぶ。

 猫の生命線は寝ることだということを理解していない。煩わしくなるが「マリちゃん」と呼ばれると尻尾の先っぽが無意識に動いてしまう。


                     尻尾を上げて歩くって難しいんだ

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