2008年12月29日月曜日

青年時代

                     山形新幹線“つばさ”

 国鉄時代はお役人の一角だったから、あまり経営ということを意識しなかった。お金も予算というものがあり、消化することが大切だった。

 パパさんは国鉄の地方の係長だった頃、工事予算を十五億円節約して本社の担当部所に叱られたらしい。

 何とも無茶苦茶な話だ。
 「親方、日の丸」の典型な例である。

 民営化されてからは、お客様と収益目標が第一になり、支出は収入に連動して常に修正されるようになった。

 工事費もコストダウンが当たり前になった 国鉄改革の時の予想に反して経営も好調である。毎年千億円ちかい利益をあげている。長期の借金も少しずつではあるが確実に返済している。

 民営鉄道の前途をあまり期待していなかったパパさんも考えが変わってきた。このまま順調に行けば、株の上場も視野に入ってきた パパさんの仕事である建設投資も、キャッシュフロー(手持ちの資金)の範囲で採算性を考慮しながら活発だ。
 プロジェクト管理の責任者であるパパさんは、コストダウンに力を入れている。国鉄時代の予算主義の工事発注や硬直的な積算方式は無視している。

 全てが会社を良くするためである。

 会社は「お客様第一」は当然だが、そこに働く社員の幸福を追及し、それに応えてこそ会社の意味があるとパパさんは考えている。

 パパさんは家長として、家族とマリオのために働いていると考えている。

 えてして、組織が大きいと会社の目的がぼやけてくる。この会社は何のためにあって、何で成り立っているかが薄弱になる。給料も社長から貰っているような錯覚を起こす。

 そもそもはお客様から頂いたお金が、給料の基本なのだ。

 古今東西、お客様を粗末にして栄えた会社はない。地方の小さな商店だろうが、世界的な規模のグローバルカンパニーだろうが理屈は同じである。

 お客様を疎外して、組織内の人間関係、特に上下関係にうつつを抜かしている会社の末路は言うまでもない。

 JRの前身の国鉄は、外部から「国鉄の常識は社会の非常識」と言われた。国鉄一家と言われ、良い意味でもあり、悪い意味でも組織が内部志向だった事を反省し、社会に開かれた良い会社にしたい事がパパさんのささやかな願いのようだ。

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