2008年8月31日日曜日

青年時代


ー靭帯切断ー

 マリオの無愛想な相手だった長男は、仙台の大学に行ってパパさんのいる社宅から通学している。大学では高校時代と同じラグビー部に入った。実力のないクラブで、長男は入部と同時に準レギュラーだった。

 娘は高校3年で大学受験を控えていた。

 パパさんは長男で懲りているためか「浪人は駄目だぞ、どこでも良いからストレートだ」と言っていた。

 娘は危機感ゼロで、推薦で入れるところを考えていたから気楽である。

 ゴールデンウィークにパパさんと入れ違いで、兄貴のおさんどんを兼ねて仙台に遊びに行った。

 連休の中日の夜に仙台に行っていた娘が泣きながら電話を掛けてきた。

 「お兄ちゃんがケガをして入院したの」

 パパさんが電話に出て様子を聞くと、ラグビーの試合で右足を靭帯切断したらしい。パパさんはその日のうちに急遽仙台に戻って病院に行った。

 お医者さん曰く「巨人の吉村より、ひどいですよ」

 手首は浪人時代にマリオが相当鍛えてやったが、足までは気が回らなかった。

 もっとも足を鍛えるには、マリオの猫キックぐらいでは人間のやるラグビーのタックルに対抗できるわけがない。

 2ケ月入院して無事退院した。膝の骨の回りに金の輪が入っているらしい。

 心配した後遺障害もなく、けがをする前より真面目になって、元気に学校に行っているようだ。

 〈うわさの大工〉

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