2008年3月30日日曜日

幼い頃2

ー下痢ー
 二か月くらい過ぎた頃、体調を崩した。下痢が止まらなくなった。
 何を食べたか判らない。とにかく下痢の連続である。
 食事は娘が食べやすい大きさにしてくれる物は何でも食べた。
 好き嫌いはあまりない。人が食べるものはほとんど食べる。
 梅雨時であるため、体調も良くない。
 幼猫食から成猫食に移りつつあって、消化不良も考えられる。環境もまぁまぁだが、一日中ジメジメした気候で体調が落ち込んでいる時だけに、生まれて初めての病気は始末が悪い。
 一日様子を見たが、下痢は治まらない。食欲も無くなっていく。見る見る元気がなくなった。
 ママさんと娘が心配して、獣医院に連れて行った。薬を貰って来て無理やり飲まされた。それでも治らない。別な獣医院に行ったが、病状は好転しない。 思案に暮れたママさんは、ペット屋に電話した。それを聞いたペット屋のおかみさんは特別な薬を持ってきてママさんに説明してマリオに飲ませた。
 おかみさんは「これで駄目だったら諦めてください」と言った。
 ママさんは、毎日忙しく帰宅が遅いパパさんががっかりするだろうし、受験勉強中の娘への影響を考えると心配だった。
 「マリちゃん、マリちゃん」と声を掛けながら一晩中看病してくれた。
病み上がり 薬を飲んだマリオは、くすくすしながら寝ていた。朝になると食欲が出てきた。便はまだ柔らかいものの、液状ではなくなった。 週末は元気なマリオが家の中を走り回っていた。

ー首輪ー
 白い長毛なため、体が汚れるという理由で自由に外出させては貰えない。
 外に出る時は、首輪をつけて散歩になる。正に、犬並みである。散歩係はママさんである。それも気が向いた時だけだ。さらに、家の近くに限定される。
 ママさん曰く「だって(ワンちゃんならともかく猫の散歩は)格好悪いわよ」である。
 首輪をつけるのは、この散歩の時と庭に放される時だけだ。
 
 家の中にいる時はつけない。

 首輪は嫌いだが、大好きな外へ出られるので我慢している。
 この首輪も家族によって、つけ方が違う。
 
パパさんは中間タイプ。
 ママさんはきつめタイプ。動き回るのに苦しい。
 娘は超ゆるゆるで時々外れる。
 何本か買い換えて貰ったが、品定めは娘の役割で常にカラフルな女性色の首輪を買うため、これをしていると決して雄猫には見えないという代物だ。
ボク 首輪は娘の同性願望の表れとマリオの外出願望が妥協したシンボルだった。




ーショッピングー
 ママさんと娘がショッピングに行くと、娘は必ずマリオの大好物の缶詰を買ってきてくる。エビとか白身の魚とか鳥とかビーフ肉とか種類は色々である。
 パパさんが少しつまんで食べて「オッ、これは(酒の)つまみになる」と言った。
 「こんな美味いもんを食べさしてんのかー」と感心している。
 娘はショッピングから帰ると必ず玄関に迎えに出るマリオに、
 「マリちゃん、美味しいのを買ってきたからネー」と言って、台所でがさがさ音をさせながら缶詰をだして食器に入れてくれる。
 そんな繰り返しをしているうちに、マリオは買い物袋をのぞく癖がついてしまった。

高じて、家に届く宅急便を始めとする荷物も気になってしょうがない。段ボールをほどいているママさんの横に座って待っている。 「マリちゃんのはないよ」と言われても確認しないと気が済まない。ママさんが中の荷物を出して空になった段ボールを確かめる。時には中に入る。
 「マリちゃん邪魔だから退きなさい」と言われて渋々段ボールから出る。とにかく、買い物が気になって仕方がない。
 長男だろうが次男だろうが、パパさんだろうが、買い物らしい袋を持って帰った時は中身が気になって落ち着かない。

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