娘も心得て缶詰のペットフードでエビいりを買ってくる。高いらしくて10個のうち1個か2個ぐらいしか買ってこない。マリオが食欲のない時の切り札だ。ペットフードの缶詰で蟹入りはない。蟹は猫の健康に良くないらしい。それでもマリオは大好きだ。
時々、パパさんの札幌に住んでいる友達から蟹が届く。
1年に1回、パパさんやママさんの実家からも蟹が送られてくる。
その時はマリオもご相伴できる。
娘は「マリちゃん、あまり食べちゃ駄目よ」と注意するがマリオは馬(猫)耳東風である。
たまに活きたままの蟹が届くこともある。
ママさんは「マリちゃん、活きてるよ」と言って見せてくれるが、形が悪くて触る気にもならない。
これがあの美味い蟹であるとは想像もできない。
蟹はふっくらとして小さい桜色のバナナのような形が最高なのだ。
エビは家庭料理でちょくちょく出てくる。
ママさんはマリオ用に茹でただけのエビを三匹ぐらい特別に作ってくれる。この方が缶詰よりずっとずっと美味である。
たまに、パパさんの四国の友達から車エビが送られてくる。おがくずの中に入っていて、全部生きている。
ママさんと娘がキャッキャッしながら、箱から取り出す。マリオも何をしているんだろうとばかり、2人の足元で見ていると、娘が「マリちゃん、面白いよ」と言いながら、2匹つまんでマリオの目の前に置く。全然動かない。
黒茶色の半分丸まったような形をしている。見ると輪の内側の列をなした小さな虫のようなもの(足)が微かに動いている。さらに、輪の太い先端にあるマリオのヒゲのようなものがゆらゆら動く。
マリオは気持ちが悪かったが、折角娘が置いてくれたのでちょっとだけ手を掛けてみた。
その途端、車エビは30センチぐらい飛び上がった。
マリオも瞬間的に1メーターくらい後ろに飛び跳ねた。腰が抜けるほどびっくりした。
ママさんと娘はげらげら笑っている。
マリオはいつも美味にしているエビとは知らず、「何じゃ、これは」とばかり尻尾を太くして遠くから眺めていた。
その日の夜マリオは、ママさんが茹でてくれた「何じゃこれは」を美味しそうに食べていた。
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