火曜日になると、ママさんが朝からいそいそとしている。パパさんがJRを退職してから習いものをしている。着物教室である。
一念発起の50の手習いであるが、ママさんは真剣だ。
1年経って講師の免状と看板をもらった。
取りあえず人に教える資格らしい。
ママさんはそれでは満足せずにその上にチャレンジした。
パパさんも応援して、師範の免状とインターナショナル・ライセンスを獲得した。
マリオもたいしたもんだと思った。
ママさんの動機は長男の結婚式の時、ホテルの美容室に親族全員の着付けを頼んだことらしい。
娘が結婚する時は、自分が着せてやりたいという意欲が、ママさんを一念発起させた。
お免状を頂いてしばらくたってから、家にママさんの友達三人が集まるようになった。
ママさんが先生のきもの教室の始まりである。
毎週木曜日の午後、マリオの行動が制約される。
着物に毛がつくため、娘の部屋に閉じ込められる。
お稽古の時間は2時間であるが、その後がいけない。
おばさん達の大座談会が始まる。延々と夕方6時ぐらいまで続く。
マリオの我慢の限界にきたあたりで、ようやく教室のお開きとなる。
待ちくたびれたヨ 「マリちゃん、ごめんね」のママさんの一言でほっとする。
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