幼い頃からであるが、マリオは食事の場所が気にいらない。
キッチンの流し台の横が食事場所と決まっている。家族の中ではただ一人、マリオを別格と考えているママさんの方針である。
ママさんは来客の時、マリオが一緒にいるとお客様によっては猫嫌いの人もいるだろうし、(マリオの)躾がなってないと思われるのが嫌らしい。
普段、マリオの食事時は空腹状態が定位なので、食べることを優先しているが、空腹感に余裕がある時は食事場所の不満を訴える。
食器を前にして床に敷いてある新聞を爪でガリガリと引っ掻く。それでも通じない時は水を入れた大きな食器を手前に引き寄せる。
ママさんは「あっ、ソォー、お腹がすいていないの、いいよ、後で食べなさい」と言って取りつく暇がない。
家族の食事時間になって、誰よりも早く食卓のそばに行儀良く座って待機していると、「あなたのは向こうにあるでしょう」とくる。全然マリオの気持ちがわかっていない。
食事を待つマリオ マリオは孤独が嫌いである。家族と一緒に楽しく食事がしたい。猫は勝手気ままで、孤独好きというのは人間の誤解だ。
娘がいると機転をきかして、マリオの食器を自分の横に持ってきてくれて、「サァ、マリちゃん、お食べ」と言ってくれる。
ママさんが注意しても無視してくれる。娘は「今日だけだよ」と言って無視する。
マリオは家族と一緒に食事できることが嬉しくて、突然食欲が沸いてくる。
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